【10月24日・25日から】最低賃金アップ前の給与チェック|月給・日給・締め日をまたぐ月の計算方法【宮崎・鹿児島】

10月24日から宮崎県の最低賃金が1,085円に、10月25日から鹿児島県が1,090円に上がることをご存じでしょうか?

時給のパート・アルバイトだけでなく、月給の社員や日給の人も対象です。

また、給料の締め日の途中で最低賃金が上がる月は、計算に注意が必要です。

この記事では、

  • 月給・日給・歩合給の人の最低賃金チェックの方法
  • 締め日をまたぐ月(10月〜11月分の給与)の注意点
  • 固定残業代や試用期間など、見落としやすいポイント

を、給与計算の担当者向けにわかりやすく解説します。

新しい最低賃金の金額や、守らない場合の罰則は 宮崎県・鹿児島県の最低賃金【2026年版】 で解説しています。この記事では「給与計算でどこを直すか」に絞ります。

業務改善助成金を使う予定の方は特にご注意ください。賃金を上げる前の申請が必要で、申請期限は10月23日(鹿児島県の電子申請は24日)です(記事後半で解説)。

目次

いつから・いくら?

県今の最低賃金新しい最低賃金発効日
宮崎県1,023円1,085円(+62円)2026年10月24日(土)
鹿児島県1,026円1,090円(+64円)2026年10月25日(日)

最低賃金は、パート・アルバイト・臨時・嘱託など、雇用形態や呼び方に関係なく、県内で働くすべての人に適用されます。

チェック①:月給の人も時給に直して確認

月給の人は、次の式で時給に直して最低賃金と比べます。

月給 ÷ 1か月の平均所定労働時間 ≧ 最低賃金(時間額)

ここでいう「月給」には、次の賃金は含めません。

  • 残業代・休日出勤手当・深夜手当などの割増賃金
  • 通勤手当、家族手当、精皆勤手当
  • 賞与など、1か月を超える期間ごとに支払う賃金
  • 結婚手当など、臨時に支払う賃金

つまり、基本給と、職務手当など毎月決まって支払う手当で判定します。

※毎月支払う手当でも、名前だけでなく支給の実態で判断します。
判断に迷う手当がある場合は、労働基準監督署に確認しましょう。

計算例(宮崎県)

項目金額・時間
基本給+職務手当(毎月決まって支払う分)180,000円
1か月の平均所定労働時間173時間
時給に直すと180,000円 ÷ 173時間 = 約1,040円

今の最低賃金(1,023円)は満たしていますが、10月24日からの1,085円には届きません。

宮崎県なら、月173時間の場合、毎月決まって支払う賃金が187,705円以上(1,085円×173時間)必要です。

鹿児島県なら188,570円以上(1,090円×173時間)です。

「月給だから関係ない」と思い込んでいると、気づかないうちに最低賃金を下回ることがあります。

自社の数字で確認するときは、最低賃金チェック・残業代計算ツールが使えます。

チェック②:日給・歩合給の人

給与の形計算のしかた
日給日給 ÷ 1日の所定労働時間 ≧ 最低賃金
歩合給(出来高払い)その期間の歩合給の総額 ÷ その期間の総労働時間(残業した時間も含む)≧ 最低賃金
組み合わせ(例:日給+月給の手当)それぞれを時給に直して合計し、最低賃金と比べる

たとえば日給8,000円・1日8時間なら時給1,000円で、新しい最低賃金に届きません。

運送業などで歩合給の割合が大きい場合は、売上の少ない月に下回っていないか注意が必要です。

なお、時間外・休日・深夜の割増賃金は、最低賃金と比べる賃金には含めません。

チェック③:締め日をまたぐ月の計算

最低賃金は、発効日から新しい額が適用されます。

給料の締め日の途中で発効日が来る場合も、「来月の給与から上げる」では足りません。

厚生労働省の最低賃金特設サイトでも、賃金の計算期間の途中に発効日がある場合は、発効日以降の分は改定後の最低賃金以上を支払う必要があるとしています。

例:20日締め・宮崎県の時給のパートさん

  • 10月21日〜23日に働いた分:今の最低賃金(1,023円)以上
  • 10月24日〜11月20日に働いた分:新しい最低賃金(1,085円)以上

時給の人は、10月24日の前と後で時給を分けて計算する必要があります。

月給の人も、発効日以降に働いた分について、新しい最低賃金を下回らないようにする必要があります。

月給を時給に直した金額が新しい最低賃金を下回る場合は、賃金の引き上げが必要です。
給与計算期間の途中に発効日がある場合は、たとえば「発効日を含む期間の分から月給そのものを改定する」「発効日以降の分を日割りで計算して差額を支払う」などの方法が考えられます。
どの方法にするかは賃金規程や計算方法によって異なるので、規程を確認し、迷う場合は労働基準監督署や労働局に相談しましょう。

もし気づかずに最低賃金を下回って支払っていた場合は、差額を速やかに支払わなければなりません。

チェック④:固定残業代を含む給与

固定残業代(みなし残業代)は、残業に対して支払う割増賃金なので、最低賃金の計算には含めません。

「固定残業代込みで月20万円だから大丈夫」ではなく、固定残業代を除いた部分で最低賃金を満たしているかを確認しましょう。

また、基本給などを引き上げると、残業1時間あたりの単価も上がります。

今の固定残業代の金額で、決めている残業時間分の割増賃金をまかなえているかも、あわせて見直してください。
実際の残業代が固定残業代を上回った場合は、その差額を支払う必要があります。

残業代の計算の基本は 残業代の計算方法、基本給だけで計算していませんか? で解説しています。

チェック⑤:試用期間・研修中の人

「試用期間中だから」「研修中だから」という理由で、最低賃金より低くすることはできません。

試用期間中の人などについて最低賃金を下回る額にできるのは、都道府県労働局長の許可(減額の特例)を受けた場合だけです。

発効日までにやることチェックリスト

  1. 時給の人:時給表を新しい最低賃金以上に改定する
  2. 月給の人:毎月決まって支払う賃金 ÷ 月平均所定労働時間で時給に直して確認する
  3. 日給・歩合給の人:それぞれの計算方法で時給に直して確認する
  4. 固定残業代がある人:固定残業代を除いた部分で確認し、残業時間分の割増賃金が足りているかも見直す
  5. 締め日をまたぐ月の給与計算の方法(発効日の前と後で分けるか)を決めておく
  6. 就業規則・賃金規程・雇用契約書(労働条件通知書)の金額を直す
  7. 給与計算ソフトの時給単価・基本給・手当の設定を更新し、発効日をまたぐ勤怠で旧単価と新単価が正しく使われるか確認する
  8. 給与明細の金額と、賃金規程・労働条件通知書の金額が一致しているか確認する

賃上げに使える助成金は「賃上げの前」に申請を

最低賃金に合わせて時給を上げるときに、設備投資とセットで使えるのが国の業務改善助成金です。

ただし、賃金を上げる前に申請する必要があります。
令和8年度の申請期限は、宮崎県が10月23日(金)(郵送は労働局に必着)、鹿児島県は窓口・郵送が10月23日(金)17時15分まで(郵送は必着)、電子申請が10月24日(土)までです。

郵送は消印有効ではなく、期限までに労働局へ届いている必要があります。
申請を考えている方は、宮崎労働局の業務改善助成金ページ・鹿児島労働局の業務改善助成金ページで最新情報を確認し、早めに準備しましょう。

詳しくは 業務改善助成金の解説記事 をご覧ください。

まとめ

  • 宮崎県は10月24日から1,085円、鹿児島県は10月25日から1,090円
  • 月給・日給・歩合給の人も、時給に直して確認する(残業代・通勤手当・家族手当などは除く)
  • 締め日の途中でも、発効日以降に働いた分から新しい額が必要
  • 固定残業代は除いて判定。試用期間でも労働局長の許可がなければ減額できない

最低賃金の確認でわからないことは、最寄りの労働基準監督署や都道府県労働局に相談できます。

給与計算ソフトの単価や時給表の更新も、発効日の前に済ませておきましょう。

※本記事は、2026年10月時点の厚生労働省の公表資料(最低賃金特設サイトなど)をもとに、制度の概要をわかりやすく解説することを目的として作成しています。
実際の判断については、最新の法令や労働基準監督署・専門家にご確認ください。

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