経営事項審査(経審)とは
公共工事を受注するために必要な審査制度です。経審の点数(総合評定値P)が高いほど、入札に参加できる工事の規模が広がります。
点数は経営規模・経営状況・技術力・社会性等の4つの要素から算出されます。
今回の改正3つのポイント
令和8年7月1日以降の申請から適用されます。
① 「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」の新設【全員に関係】
もっとも重要な改正です。
自主宣言制度に登録・承認された会社が経審申請時に宣言書と誓約書を提出することで、+5点が加算されます(新設項目)。
同時に、既存の「W1-10:建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況」の配点が引き下げられます。
| 区分 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 民間工事を含む全ての建設工事 | 15点 | 10点 |
| 全ての公共工事のみ | 10点 | 5点 |
この2つを合わせると、次のようになります。
▶ W1-10ポイントを現在もらっている会社(CCUS就業履歴を実施中)
| W1-10の変化 | 自主宣言 | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 宣言する | -5点 | +5点 | ±0 |
| 宣言しない | -5点 | 0点 | -5点 |
▶ W1-10ポイントを現在もらっていない会社
| W1-10の変化 | 自主宣言 | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 宣言する | 0点 | +5点 | +5点 |
| 宣言しない | 0点 | 0点 | 0点 |
結論:どちらの会社も「宣言する」ほうが得です。
⚠️ 要注意:申請から承認まで最大1ヶ月・決算日前に完了が必要
自主宣言の加点を受けるには、まずポータルサイトから申請し、国土交通省・事務局の審査を通過する必要があります。
手順:
- ポータルサイト(jishusengen.mlit.go.jp)から申請
- 国土交通省・事務局が内容を確認(最大1ヶ月)
- 承認・サイトに掲載
- 経審申請時に「宣言書」と「誓約書」を提出 → +5点
また、加点を受けるには審査基準日(決算日)より前に宣言が完了している必要があります。
決算月が近い会社は特に注意が必要です。
申請の主な条件:
- 役員に暴力団関係者がいないこと
- 建設業法の指示処分以上の行政処分から1年以上経過していること
- 事業規模や建設業許可の有無は問わない
- 費用は無料(令和8年5月現在)
② 建設機械の保有状況(W7)の加点対象拡大
加点対象となる建設機械に以下の2種類が追加されます。
能登半島地震での活用実績を踏まえた、災害対応力強化を目的とした改正です。
- 不整地運搬車
- アスファルト・フィニッシャ
これらの機械を保有している会社は、経審申請時に忘れずに申告しましょう。
③ 社会保険の評価項目の削除
雇用保険・健康保険・厚生年金保険の加入有無に関する評価項目(W1-1〜W1-3、各-40点)が削除されます。
令和2年10月から社会保険加入が建設業許可の要件となったため、評価項目としての意味がなくなったためです。
適切に加入している会社には実質的な影響はありません。
まとめ:今すぐやること
| やること | 期限の目安 |
|---|---|
| 自主宣言ポータルサイトから申請 | 今すぐ(審査に最大1ヶ月) |
| 承認後、宣言書・誓約書を準備 | 経審申請前まで |
| 不整地運搬車・アスファルトフィニッシャの保有確認 | 経審申請前まで |
- 令和8年7月1日以降の経審申請から新基準が適用される
- 自主宣言で+5点、W1-10の配点見直しと合わせて宣言しないと実質マイナスになるケースがある
- 申請から承認まで最大1ヶ月・決算日より前に承認が必要なため、早めの行動が不可欠
申請は自主宣言制度ポータルサイトから。手続きに不安がある場合は行政書士にご相談ください。
