「知らない番号からの電話、出るべきか迷う」
「うちの親が詐欺電話に引っかからないか心配」
そんな不安に応える無料アプリが、警察庁の推奨を受けて公開されています。
詐欺に使われた電話番号を自動で判別し、着信をブロック・警告してくれるアプリです。
「高齢者向けの話でしょ?」と思われるかもしれませんが、実は事業者を狙った詐欺電話も増えています。
この記事では、2つのアプリの違いと、経営者としてどう活用すべきかを解説します。
警察庁が推奨する詐欺対策アプリとは
警察庁には、一定の基準に適合した詐欺対策アプリを「警察庁推奨アプリ」として認定する制度があります。
現在、この認定を受けているのが次の2つのアプリです。
- 詐欺対策 by NTTタウンページ(NTTタウンページ/トビラシステムズ)
- 詐欺バスター Lite(トレンドマイクロ)
どちらも無料で利用でき、iPhone・Androidの両方に対応しています。
怪しい業者のアプリではなく、警察庁が公式サイトで紹介しているという点が安心材料です。
2つのアプリを比較
| 詐欺対策 by NTTタウンページ | 詐欺バスター Lite | |
|---|---|---|
| 提供元 | NTTタウンページ/トビラシステムズ | トレンドマイクロ |
| 料金 | 無料 | 無料 |
| 着信ブロック・警告 | ◯ | ◯ |
| 相手先の名称表示 | ◯(約500万件の企業情報) | — |
| 国際電話の一括ブロック | ◯(Androidのみ) | — |
| 警察庁の防犯情報の通知 | ◯ | ◯ |
| 対応OS | iOS 15以上/Android 10以上 | iOS/Android |
大きな違いは、NTTタウンページ版に「相手先の会社名を表示する機能」がある点です。
NTTタウンページの掲載情報をもとにした約500万件の企業データベースがあるため、知らない番号でも「どこからの電話か」が分かります。
取引先や金融機関からの電話を取り逃がしたくない事業者にとっては、この機能が特に役立ちます。
⚠️ iPhoneとAndroidで機能が違う点に注意
スマホのOSによって、できることに差があります。
- Android:警告表示・自動遮断のどちらも選べる。国際電話の一括ブロックも可能
- iPhone(iOS18以降):警告表示・遮断のどちらも選べる
- iPhone(iOS17以前):警告表示のみ(自動で遮断はできない)
- iPhone共通:OSの仕様上、国際電話の一括ブロックには対応していない
iPhoneをお使いで国際電話をまとめて止めたい場合は、別の方法があります(記事末尾で紹介します)。
どちらを選べばいい?
迷ったときの選び方の目安です。
- 仕事の電話が多い方・業務効率を上げたい方:詐欺対策 by NTTタウンページ(相手先名の表示で不要な営業電話も判別でき、国際電話ブロックも強い)
- セキュリティ製品に馴染みがある方:詐欺バスター Lite(トレンドマイクロ製で操作がシンプル)
どちらも無料なので、まず試してみて使いやすい方を残す、という選び方でも問題ありません。
⚠️ なお、詐欺対策アプリを装った「偽アプリ」にもご注意ください。
検索から直接ダウンロードするのが不安な場合は、記事末尾の警察庁公式サイトを経由して、正規ストア(App Store/Google Play)からインストールするのが確実です。
経営者が「守るべき3つの電話」
詐欺対策アプリというと高齢者向けのイメージがありますが、経営者の立場では守るべき対象が3つあります。
①会社の電話・自分のスマホ
事業者を狙った詐欺電話は、実際に増えています。
- 「補助金が受けられます」と手数料や保証金を求める電話
- 役所や金融機関を装って口座情報を聞き出す電話
- ホームページ制作・広告掲載などの強引な営業電話(詐欺でなくても業務の妨げになります)
- 社長や取引先になりすまして送金を指示する電話
特に、社長の携帯番号は名刺やホームページで公開していることも多く、狙われやすい状況にあります。
※これらのアプリはスマートフォン向けです。会社の固定電話には利用できません。
②従業員のスマホ
経理担当者が詐欺電話に対応してしまうと、会社のお金が動いてしまうおそれがあります。
会社用のスマホを支給している場合は、アプリの導入を検討する価値があります。
個人のスマホの場合は強制できませんが、「こういうアプリがあるよ」と朝礼などで紹介するだけでも意味があります。
③高齢のご家族
ご両親のスマホに入れてあげるのが、最も効果の大きい使い方かもしれません。
アプリは一度設定すれば、あとは自動で判別してくれます。
帰省のタイミングなどで設定してあげるのがおすすめです。
また、ご実家に固定電話がある場合は、記事末尾で紹介している「国際電話不取扱受付センター」への申し込みで、海外からの詐欺電話を止めておくこともあわせておすすめします。
アプリだけでは防げない詐欺もある
ここは正直にお伝えしておきます。
これらのアプリが判別できるのは、すでに詐欺に使われたと分かっている電話番号です。
そのため、次のような詐欺は防げません。
- まだ知られていない新しい番号からの電話
- メール・LINE・SMSを使った詐欺
- AIで社長の声を再現して送金を指示する「音声クローン詐欺」
※特にAI音声クローン詐欺では、電話番号自体は正規の番号から発信される場合があるため、番号で判別するタイプのアプリでは防げません。
アプリは「入口を1つ減らす道具」であって、万能ではありません。
結局のところ、「送金は必ず別の手段で本人確認する」といった社内ルールが最も確実な防御になります。
会社としてできる対策チェックリスト
- ☑ 社用スマホに詐欺対策アプリを導入する
- ☑ 従業員に「こういう詐欺電話がある」と朝礼などで注意喚起する
- ☑ 送金の指示は電話だけで完結させないルールを作る
- ☑ 不審な電話は折り返さず、公式サイトで確認した番号にかけ直す
- ☑ 高齢のご家族のスマホにもアプリを設定してあげる
まとめ
- ✅ 警察庁推奨の詐欺対策アプリが2つ、無料で提供されている
- ✅ 仕事の電話が多いならNTTタウンページ版(相手先名の表示が便利)
- ✅ iPhoneは国際電話の一括ブロックに非対応など、OSで機能差がある
- ✅ 自分・従業員・高齢のご家族の3方向で活用できる
- ✅ ただしアプリは万能ではない。社内ルールとの併用が大切
アプリの詳細やダウンロード先は、警察庁の公式サイトで確認できます。
特殊詐欺は「知らない番号に出ない」だけでは防ぎきれない時代になっています。
無料でできる対策から始めて、ご自身と会社、そして大切なご家族を守りましょう。
※この記事は2026年7月時点の情報に基づいています。
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