⚠️ 2026年度の制度変更について
2026年度から、本補助金はものづくり補助金と統合され
「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」として公募されています。
統合後の全体像は、この後のセクションで解説します。
※「工場 補助金」「工場建設 補助金」で情報を探している方にも参考になる内容です。
※補助内容等の詳細については、中小企業新事業進出補助金<外部リンク>を参照ください。
■ はじめに
「新しい工場を作りたいけど補助金は使えるのか?」
「事業再構築補助金の後継って何?」
そんな疑問を持つ方に向けて、2026年度に統合された注目制度
「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」(旧:中小企業新事業進出補助金)について、実務ベースで解説します。
■【重要】2026年度から「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」に統合されました
2026年度から、「中小企業新事業進出補助金」と「ものづくり補助金」が統合され、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」として生まれ変わりました。
統合後は、次の3つの申請枠から選ぶ形になります。
| 申請枠 | 内容 | 補助上限(賃上げ特例時) |
|---|---|---|
| 革新的新製品・サービス枠 | 革新的な新製品・新サービスの開発(旧ものづくり補助金に相当) | 750万〜2,500万円(850万〜3,500万円) |
| 新事業進出枠 | 新市場・高付加価値事業への進出(旧新事業進出補助金に相当) | 2,500万〜7,000万円(3,000万〜9,000万円) |
| グローバル枠 | 海外市場の開拓・輸出体制の強化 | 2,500万〜7,000万円(3,000万〜9,000万円) |
この記事では、工場建設など大型投資に使える「新事業進出枠」(旧・中小企業新事業進出補助金)を中心に解説します。
● 第1回公募スケジュール(進行中)
- 公募開始:2026年6月29日(月)
- 申請受付開始:2026年8月31日(月)
- 応募締切:2026年9月30日(水)18:00【厳守】
- 採択発表:2026年12月頃(予定)
締切まで時間があるように見えますが、事業計画書の作成には通常1〜2ヶ月かかります。
検討中の方は、今すぐ準備を始めることをおすすめします。
■「新事業進出枠」とは?(旧:中小企業新事業進出補助金)
中小企業新事業進出補助金は、新しい事業に挑戦する中小企業を支援する補助金です。
以前の事業再構築補助金の流れを引き継いだ制度で、以下のような取り組みが対象になります。
- 新分野への進出
- 業種転換
- 新たなビジネスモデル構築
なお、事業再構築補助金との主な違いとして、
比較的、成長投資や一定の財務基盤を有する企業に適した設計となっています。
■ 補助金の概要
● 補助率
- 原則:1/2
- 地域別最低賃金引上げ特例の適用事業者:2/3
※「条件達成で2/3」と表現されることがありますが、
正確には「地域別最低賃金引上げ特例」の適用が条件です。
● 補助上限・下限(従業員数別)
| 従業員数 | 補助上限(通常) | 補助上限(大幅賃上げ特例) |
|---|---|---|
| 20人以下 | 2,500万円 | 3,000万円 |
| 21〜50人 | 4,000万円 | 5,000万円 |
| 51〜100人 | 5,000万円 | 6,500万円 |
| 101人以上 | 7,000万円 | 9,000万円 |
【重要】
補助下限額は750万円(=税込経費ベースで約1,500万円以上の投資が必要)
大幅賃上げ特例を適用し、目標未達の場合は補助金返還義務が生じます。
■ 建物(工場)は対象になる?
✔ 結論:条件を満たせば対象になる
これは他の補助金(ものづくり補助金など)との大きな違いです。
■ 対象になる例
- 新工場の建設
- 生産拠点の新設
- 大規模な改修
■ 対象にならない例
- 単なる老朽化更新
- 規模拡大だけの建設
- 現事業の延長
👉 ポイント
「新事業のために必要かどうか」が判断基準です。
■ どんな事業が対象になる?
| ✅ OK例 | ❌ NG例 |
|---|---|
| 建設業 → 製造業へ進出 | 同じ事業の規模拡大 |
| 下請け → 自社製品開発 | 受注増のための設備投資 |
| 新市場(海外・インフラ等)参入 | 工場の建替えのみ |
👉 重要
「事業が変わるかどうか」が対象かどうかの判断基準です。
■ 申請要件(重要)
採択されるだけでなく、補助金を受け取るためには以下の要件を満たす必要があります。
① 新事業進出要件
新製品・新サービスを新規顧客に提供する新たな挑戦であること。
具体的には「新事業進出指針」で定める以下の3点をすべて満たす必要があります。
- 製品・サービスの新規性(既存事業と異なる)
- 市場の新規性(新たな顧客層)
- 新事業売上高の規模
→総売上高の10%以上(または付加価値額の15%以上)
(※事業計画期間終了時点での割合)
【例】
アイスクリーム店がかき氷を追加しても、顧客属性が同じため対象外となる可能性があります。
👉「何が新しいか」+「誰が新しい顧客か」をセットで説明することが重要です。
② 付加価値額要件
事業計画期間(3〜5年)において、
年平均成長率4.0%以上
※付加価値額 = 営業利益+人件費+減価償却費
③ 賃上げ要件【未達の場合、返還リスクあり】
一人当たり給与支給総額
年平均3.5%以上の増加
④ 事業場内最賃水準要件【未達の場合、返還リスクあり】
地域別最低賃金より
30円以上高い水準を維持
⚠️ 返還リスクに注意
③・④は未達の場合、補助金の一部または全額返還の可能性があります。
なお、天災など制度で定めるやむを得ない事情がある場合は、返還が免除されるケースもあります。
⑤ 統合後に加わったその他の要件
2026年度の統合後は、以下の要件も加わっています。
- ワークライフバランス要件:一般事業主行動計画の策定・公表
- 子育て環境整備要件:家事代行サービスの導入や既存制度の周知など、指定の取り組みから1つを選択
- 金融機関要件:融資を受けて実施する場合は、金融機関の確認書が必要
いずれも事前準備が必要なものなので、公募要領で早めに確認しておきましょう。
■ 補助対象経費
主な対象経費は以下のとおりです。
- 建物費(工場・倉庫等の建設・改修・増築など)
- 機械装置費
- システム導入費
- 外注費・設計費
- 広告宣伝費・販売促進費
👉 工場+設備をまとめて補助対象にできる数少ない制度です。
※ 広告宣伝費は補助対象ですが、補助事業との関連性や必要性が厳しく審査されます。上限等の詳細は公募要領をご確認ください。
※ 補助対象経費は「補助事業に直接必要なもの」に限られ、
汎用性の高い資産や既存事業との共用が前提となるものは対象外となる場合があります。
※ 建物費または機械装置・システム構築費のいずれかが必須経費です。
■ 申請の流れ
- 事業計画作成
- 電子申請
- 審査・採択
- 交付申請
- 工事・設備導入
- 実績報告 → 入金
⚠️ 注意点
- 採択前の契約・発注は補助対象外
- 支払い方法には一定のルールがあり、クレジットカード払いが認められないケースもあります(原則は銀行振込。詳細は公募要領を確認)
- 直近の採択状況によっては申請制限が設けられる場合があります
■ 採択されるためのポイント
① 新事業性を明確にする
- 新製品・新サービス+新規顧客をセットで説明
- 売上10%以上の根拠を示す
② 工場は「手段」として説明する
| ❌ NG | ✅ OK |
|---|---|
| 工場を作りたい | 新事業に必要だから工場が必要 |
| 設備更新したい | 新サービスのために必要 |
③ 数字に根拠を持たせる
- 市場データ
- 受注見込み
- 成長率の根拠
④ 賃上げ計画の実現可能性
- 財務的に無理がないか
- 特例適用は慎重に判断
■ よくある失敗
- 新事業になっていない
- 設備投資が目的になっている
- 数値が現実的でない
- 賃上げ要件を軽視している
- 他補助金との申請制限を見落としている
■ よくある質問
Q. 工場を建てるだけでも対象になりますか?
建物費は対象経費ですが、「建てること」自体ではなく新事業の実施に必要な投資であることが前提です。
単なる事務所や倉庫の建設だけでは認められないため、本文で解説した「新事業性」とセットで計画してください。
Q. 土地の購入費は対象ですか?
土地の取得費は対象外です。
建物費が対象でも土地代は自己資金になるため、資金計画に注意してください。
Q. 中古設備は対象ですか?
一定の条件(複数の販売事業者からの見積書など)を満たせば、対象になる場合があります。
条件の詳細は公募要領でご確認ください。
Q. リースでも使えますか?
原則は購入が対象です。
リース料は対象になる場合でも範囲や条件が限られるため、事前に事務局や公募要領でご確認ください。
Q. 個人事業主でも申請できますか?
申請できます。
本補助金の対象である「中小企業者等」には個人事業主も含まれます。
■ まとめ
- 新事業進出補助金は「事業転換」向けの補助金
- 建物(工場)も対象になる数少ない制度
- 最大9,000万円(特例時)の補助が可能
- 売上10%以上・付加価値4%・賃上げ3.5%が重要
- 未達の場合は返還リスクあり
- 2026年度から「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」として統合・運用中
👉 ポイント
「工場ではなく事業を変えること」+「賃上げの現実性」
■ おわりに
工場建設を伴う投資を検討している場合、この補助金は非常に有力な選択肢です。
ただし、単なる規模拡大では対象外となるため、
事業の方向性をどう設計するかが成功のカギとなります。
また、本補助金は採択後も進捗報告や賃上げ状況の確認が求められます。
採択がゴールではなく、その後の運用も見据えた計画が重要です。
制度内容は随時変更されるため、申請前に必ず最新の公募要領をご確認ください。
