会社で郵便物を送る際に使用する「切手」。
経理処理をしていると、次のような疑問を持ったことはないでしょうか。
- 切手は購入時は非課税なの?
- 使用したときは課税取引になるの?
- 貯蔵品として管理しないといけない?
実は、切手の消費税の取扱いは少し特殊です。
今回は、切手の消費税の基本的な考え方と実務上の取扱いについて解説します。
切手は「郵便サービスの前払い」
切手は単なる「物」ではなく、
日本郵便 が提供する郵便サービスを受けるための証票です。
そのため、
- 切手を購入した時点
→ まだ郵便サービスは受けていない - 切手を使用して郵便物を発送した時点
→ 郵便サービスを受けた
という整理になります。
消費税は「消費」に対して課税される税金のため、
本来は郵便サービスを利用した時点で課税取引となるという考え方になります。
郵便局での切手購入は非課税
郵便局で切手を購入する場合、
その取引は消費税法上「非課税」とされています。
つまり、
| 取引 | 消費税 |
|---|---|
| 郵便局で切手を購入 | 非課税 |
| 切手を使用して郵便を送る | 課税取引(通信費) |
という整理になります。
このため、理論上は
- 切手を購入した時は「貯蔵品」
- 使用した時に「通信費」
として処理することになります。
本来は「貯蔵品」として管理する
会計処理としては、次のような流れになります。
①切手購入時
貯蔵品 / 現金
②切手使用時
通信費 / 貯蔵品
つまり、切手は在庫として管理し、
使用した分だけ費用計上するのが原則です。
実務上は「購入時に課税仕入」とする処理も認められている
一方で、切手は
- 少額であることが多い
- 使用時の管理が煩雑になりやすい
という事情があります。
そのため、消費税法基本通達では
継続して同じ方法を適用することを条件に、
切手購入時に課税仕入として処理する方法も認められています。参考:国税庁「消費税法基本通達11-3-7」
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shohi/11/03.htm
この方法を採用する場合は、購入時に次のように処理します。
通信費 / 現金
(課税仕入)
ただし、この取扱いは継続適用が前提となります。
インボイス制度との関係
なお、切手の取扱いがこのようになっている背景には、インボイス制度との関係もあります。
通常、仕入税額控除を受けるためには 適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度) により、原則として適格請求書の保存が必要です。
しかし、切手を使用して郵便を送る場合、ポストに投函することが多く、郵便サービスを利用したタイミングで請求書が発行されるわけではありません。
そのため、郵便サービスについては「適格請求書の交付が著しく困難な取引」として例外的な取扱いが設けられています。
このような事情から、郵便切手については
原則は使用時に課税仕入れとなるものの、継続適用を条件に購入時に課税仕入れとして処理する方法も認められているとされています。
注意しておきたいポイント
切手の処理については、次の点に注意が必要です。
① 毎期処理を変更しない
継続して同じ方法を採用する必要があります。
② 大量購入している場合
期末時点で未使用の切手が多額にある場合は、棚卸が必要になる可能性があります。
③ 金券ショップでの購入
金券ショップで購入した場合は、通常の課税取引となるため取扱いが異なります。
まとめ
切手の消費税の取扱いを整理すると、次のようになります。
| 内容 | 消費税 |
|---|---|
| 郵便局での購入 | 非課税 |
| 使用して郵便を送付 | 課税取引 |
| 実務上の処理 | 継続適用なら購入時課税も可 |
切手は「郵便サービスの前払い」という性質があるため、
消費税の取扱いが少し分かりにくくなっています。
実際の処理方法については、会社の状況によって適切な方法が異なる場合もあるため、迷った場合は税理士に相談することをおすすめします。
免責事項
本記事は一般的な制度解説を目的としており、個別の税務判断を行うものではありません。
具体的な処理については専門家へご相談ください。
