資金調達を円滑に進めるためには、「銀行に信頼される決算書」を作ることが欠かせません。
銀行は決算書を通じて、会社の収益性や返済能力、将来性を判断します。
本記事では、銀行が注目するポイントと、自社に落とし込める具体的な改善策を解説します。
1. 銀行が重視する3大ポイント
(1) 収益性(利益水準)
- 本業で安定した利益が出ているかを最重視します。
- 一時的な売却益や助成金だけで利益が出ている決算はマイナス評価につながります。
(2) 安全性(自己資本比率)
- 借入金に依存しすぎず、自己資本で事業を支えられているかを確認します。
- 自己資本比率は20%以上あると評価が高まります。
(3) 資金繰り(返済能力)
- 現預金の残高と借入返済額のバランスを見ます。
- キャッシュフロー計算書や資金繰り表を用意できると、安心感が増します。
2. 決算書で信頼を落とすNG項目
- 役員貸付金や仮払金が残っている
→ 「社長が会社のお金を私的に使っているのでは?」と疑われます。 - 売上の前倒し計上
→ 一時的に数字を良く見せても、翌期の業績悪化で逆効果。 - 利益が毎年ギリギリ黒字または赤字
→ 安定性がないと評価されます。
3. 信頼される決算書にする具体的な工夫
- 役員貸付金を解消する
→ 社長個人と会社の資金をきちんと分けましょう。 - 適正な減価償却を行う
→ 本来の利益水準を隠さないことが信頼につながります。 - 月次試算表を整備する
→ 銀行から「普段から数字を管理している会社」と評価されます。 - 資金繰り表を作成する
→ 将来の返済能力を数字で示せるのは大きな安心材料。
4. 自社に落とし込むチェックリスト
5. まとめ
銀行が見るのは「見せかけの数字」ではなく、会社の本当の経営体質です。
無理に数字を良く見せるのではなく、
- 不要な勘定科目を整理する
- 黒字経営を目指す
- 資金繰りの見通しを立てる
といった基本を守ることで、自然と信頼される決算書になります。
「銀行に安心される決算書」は、資金調達だけでなく、取引先や社員からの信頼にもつながります。
ぜひ今回のチェックリストを活用し、自社の決算を見直してみてください。