「顧問税理士がいるから、税務やお金のことは安心」——そう考えている経営者の方は多いかもしれません。
しかし実際には、顧問税理士がいても税務調査で指摘を受けたり、資金繰りに悩んだりする会社は少なくありません。
本記事では、中小企業・個人事業者に多い税理士がいてもトラブルになる会社の共通点と、経営者が今すぐできる具体的な対策を分かりやすく解説します。
顧問税理士がいてもトラブルが起きるのは珍しくない
まず前提として理解しておきたいのは、税理士は「経営の最終責任者」ではないという点です。
税理士の役割は、主に次のような業務です。
- 税務申告書の作成・チェック
- 会計処理の適正性の確認
- 税務に関する助言
一方で、
- いつ・いくら投資するか
- 役員報酬をどうするか
- 借入を増やすか減らすか
といった経営判断そのものは、経営者の責任です。
この役割分担を誤解していると、「税理士がいるのにトラブルが起きた」という状況になりやすくなります。
顧問税理士がいてもトラブルになる会社の特徴
① 税理士にすべてを丸投げしている
資料提出が遅れがちで、試算表や決算書の内容をほとんど確認しない
——このような状態では、税理士も正確な判断や助言ができません。
税理士は、会社の実情をすべて把握しているわけではなく、渡された資料をもとに判断します。
丸投げ状態では、
- 誤った処理に気づくのが遅れる
- 問題が決算時まで表面化しない
といったリスクが高まります。
② 重要な決定を「事後報告」している
次のようなことを、実行した後に税理士へ伝えていませんか?
- 役員報酬を変更した
- 高額な設備投資を行った
- 借入や返済条件を変更した
これらは事前相談が不可欠な事項です。事後報告になると、
- 税務上不利な処理になる
- 節税の選択肢が使えなくなる
といった結果を招くことがあります。
③ ネットの節税情報を鵜呑みにしている
「この方法で節税できるらしい」「他社がやっているから大丈夫」
——こうしたネット情報だけを根拠に行動するのは非常に危険です。
会社の規模や業種、財務状況によって適切な節税策は異なります。
一見問題なさそうでも、税務調査では否認されるケースも少なくありません。
④ 税理士の業務範囲を誤解している
顧問契約をしていても、
- 経営改善の提案
- 資金繰り管理
- 将来シミュレーション
まで自動的に行われるとは限りません。
「そこまで見てくれると思っていた」という認識のズレが、後々のトラブルにつながることがあります。
⑤ 数字に興味がなく、ほとんど見ていない
特に多いのが、
- 試算表を見ない
- 現預金残高を把握していない
- 借入金の総額を即答できない
というケースです。
この状態では、
- 黒字なのに資金が足りない
- 納税資金が準備できない
といった資金繰りトラブルが起きやすくなります。
よくあるトラブル事例
税務調査での指摘
- 役員貸付金が長期間放置されている
- 私的な支出が経費に混ざっている
- 売上計上時期のズレ
「税理士に任せていた」という理由だけでは、指摘を回避することはできません。
資金繰りトラブル
- 利益は出ているのに現金がない
- 突然の納税で資金不足に陥る
これらは数字を定期的に確認していれば防げたケースがほとんどです。
トラブルを防ぐために経営者ができること
税理士に相談する「タイミング」を決める
- 大きなお金が動く前
- 役員報酬や人件費を変える前
- 新しい取引を始める前
「決まる前に相談する」だけで、多くのリスクは回避できます。
最低限チェックすべき数字
忙しくても、次の4つだけは定期的に確認しましょう。
- 売上
- 利益
- 現預金残高
- 借入金残高
これだけでも、経営の見え方は大きく変わります。
セカンドオピニオンを活用する
「今のやり方が本当に合っているのか不安」
「税理士を変えるほどではないが確認したい」
そんな場合は、
税理士や財務の専門家、または商工会・商工会議所などの公的支援機関を利用し、
客観的な視点で現状を確認してもらうことも有効です。
関連記事:税理士報酬を見直して経費削減|中小企業が見落とす盲点とは?
まとめ|税理士任せにしない会社ほどトラブルは少ない
顧問税理士がいても、
- 丸投げ
- 事後報告
- 数字を見ない経営
を続けていると、トラブルは避けられません。
税理士と適切に役割分担し、経営者自身が最低限の数字を把握することが、会社を守る最大のポイントです。
「顧問税理士がいるけれど、このままで大丈夫か不安」
「一度、第三者の視点で確認してほしい」
そんな方は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
