はじめに：安さに惹かれてトラブルに？
最近では、会社の備品や仕入れをネットで購入するのが当たり前になりました。
しかし「他のサイトよりずいぶん安い」「在庫ありの表示がここだけだった」などの
理由で注文した結果、商品が届かない・返金されない・連絡が取れないといったトラブルも増えています。
特に近年は企業向けを装った**詐欺通販サイト（偽ECサイト）**が急増。
実在のショップをそっくりコピーしたものまであり、見た目では判断が難しい場合もあります。
本記事では、そんな「安すぎる通販サイト」に潜むリスクと、実際に見分けるためのポイント、
そして購入後の対応までを具体的に紹介します。
1. なぜ安すぎる通販サイトは危険なのか
安すぎるサイトには、次のようなケースが多く見られます。
- 在庫を持たない詐欺サイト
注文・入金後に連絡が途絶える。商品は発送されず、返金もなし。 - 公式サイトを模倣した偽サイト
URLやデザインを本物に似せて個人情報やカード情報を盗む。 - 倒産・閉鎖したサイトのドメインを転用
かつて存在したショップを装い、信用を利用して詐欺を行う。
「銀行振込のみ」「個人名義口座」「問い合わせがメールだけ」といった場合は特に警戒が必要です。
2. 安全な通販サイトの見分け方（チェックリスト）
担当者が購入前に確認しておきたいポイントを整理します。
一つでも不審点があれば、上長や経理に相談しましょう。
| チェック項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| 会社概要の記載 | 運営者名、住所、電話番号、法人名が明記されているか |
| 支払い方法 | クレジットカード・代引きなどが選べるか（振込のみは要注意） |
| ドメイン・URL | “.xyz” “.shop” “.top”など不審なドメインでないか |
| 価格 | 相場より極端に安くないか（半額以下は疑ってよい） |
| 口コミ・評判 | 「サイト名＋詐欺」「サイト名＋口コミ」で検索 |
| 通信の安全性 | URLが「https://」で始まる（SSL対応）か |
| 日本語表記 | 不自然な日本語、誤字脱字が多くないか |
また、実在する大手通販サイト（Amazon・楽天・モノタロウ等）を模倣したページもあるため、
「URLのドメイン」を必ず確認することが大切です。
3. 万一、購入してしまった場合の対応策
もし支払いをしてしまった、またはカード情報を入力してしまった場合は時間との勝負です。
以下の手順で早急に対応してください。
✅ クレジットカード決済の場合
- すぐにカード会社へ連絡し「詐欺サイトの可能性がある」と伝える。
- 状況によっては「チャージバック（支払い取り消し）」が可能。
- 同じカードを今後も使う場合はカード番号の再発行を検討。
✅ 銀行振込の場合
- 振込先の銀行に「詐欺被害の可能性がある」と連絡。
→ 被害申告を受けて口座が凍結される場合もある。 - 領収書・振込明細など証拠を保管しておく。
✅ その他の対応
- 警察（サイバー犯罪対策課）や**消費者ホットライン（188）**に相談。
- 企業としては、被害額が少額でも経理部門・代表者に報告しておくことが重要です。
4. 再発を防ぐための社内ルール整備
担当者任せにしてしまうと同様のトラブルが再発する可能性があります。
以下のようなルールを社内で共有しておくと効果的です。
- 新しい通販サイトを利用する際は、上長承認を得る
- 支払いは必ずクレジットカードまたは請求書払いに限定
- 取引実績のあるサイト・業者を優先的に利用
- 不審なサイトを見つけた場合は情報共有
- 経理・総務での二重チェック体制を導入
こうしたルールを明文化することで、「安さ重視の独断購入」による損失を防ぐことができます。
5. まとめ：安さより“信頼”が最も安い買い物
安い価格に惹かれても、商品が届かない・情報が盗まれるなどの被害に遭えば、
結果的には大きな損失につながります。
特に法人では取引の信頼性が何より大切です。
担当者としては、「少しでも安く買う」よりも「確実に安全な取引をする」意識が重要です。
そして経営者は、その判断をサポートする仕組みを整えることが求められます。
ポイント
- 不審なサイトは「安さ」「振込限定」「連絡が取れない」がキーワード。
- 不安を感じたら購入前に確認・相談を。
- 万一の際は、カード会社・銀行・警察へ早急に対応。
