■ はじめに
中小企業の経営者にとって「コンサル」は、
- 経営改善
- 売上アップ
- 組織改革
- 補助金対応
など、専門家の力を借りられる心強い存在です。
一方で近年は、SNS集客による経験不足のコンサルや、補助金ビジネスを餌にした悪質業者、
さらには脱税で摘発されるケースまで増えており、良いコンサルと悪いコンサルの差が極端に
広がっているのが実情です。
本記事では、中小企業の実例を交えながら
「頼むべきコンサル」「避けるべきコンサル」が誰でも見極められるレベル
まで掘り下げて解説します。
■ 1. コンサルを依頼する目的を明確にする
コンサルを検討する前に、まず押さえるべきは
「コンサルが必要かどうかは、課題の種類で決まる」
という点です。
中小企業がコンサルを使う理由は主に6つ。
- 経営改善(粗利率・原価・生産性など)
- 売上アップ(集客・マーケティング・営業)
- 組織改善(人事制度・採用戦略)
- 業務効率化(DX・IT導入)
- 補助金・助成金などの申請支援
- 新規事業の立ち上げ
目的が曖昧なまま依頼すると、
「結局何が変わったのか分からない」
という最悪の結果につながりがちです。
■ 2. コンサルに依頼するメリット
◆ メリット①:客観視点による“気づき”
社内では当たり前に見えるムダや非効率に、外部の人間はすぐ気づきます。
◆ メリット②:専門スキルをすぐ利用できる
自社で採用しなくても、経験豊富な人材を即戦力として活用できます。
◆ メリット③:改善施策が短期間で進む
特に業務改善・マーケティング・広告は、外部の仕組みがすぐ機能します。
◆ メリット④:社長の意思決定が早くなる
整理された情報+実行プランが提示されるため判断がしやすくなります。
■ 3. コンサルのデメリット(特に中小企業で多い)
◆ デメリット①:コストに見合わないリターンのリスク
特に“ミーティングだけの抽象コンサル”は成果が出にくい。
◆ デメリット②:社内の反発を受けることがある
「外部の人に口出しされたくない」
と現場が抵抗するケースは珍しくありません。
◆ デメリット③:コンサル依存の状態になることがある
仕組みを社内に残してくれないコンサルだと依存状態に。
◆ デメリット④:粗悪コンサルに当たるリスク
最近は特に補助金、高単価マーケ、節税スキーム系に多い。
■ 4. コンサルを選ぶ際の“絶対に外せない”見極め方
良いコンサルと悪いコンサルの差は、
“面談の10分でほぼ見抜ける”
と言われます。
以下は中小企業が確実に使えるチェック項目です。
◆ ① 成功事例を「同規模・同業」で3つ提示できるか
→ 大企業の話ばかりするコンサルは中小企業の解像度が低い。
◆ ② 現場を見ないコンサルは避ける
「ヒアリングだけで改善案を出す」
と言うコンサルはほぼ外れ。
◆ ③ 成果指標(KPI)を最初に数値で示せるか
例:
- 3ヶ月で不良率を○%改善
- 6ヶ月でWeb売上○%増
- 採用コストを○%削減
目標を曖昧にするコンサルは危険。
◆ ④ レポート・改善案・実行支援の“3点セット”があるか
抽象論だけ話す「お話聞いてますコンサル」は絶対NG。
◆ ⑤ 契約条件に「成果が出なかった場合」の条項があるか
返金保証までは不要でも
- 契約期間の見直し
- 成果レベルの調整
などの柔軟性があるかどうかは重要。
■ 5. 中小企業で実際に起きた“良い実例”と“悪い実例”
以下は実際に中小企業が遭遇しがちな典型例をもとに構成したリアルなフィクション事例です。
◎ 良い実例①:製造業A社(従業員30名)
課題
- 作業手順が属人化
- 不良率が高い
- 生産計画がバラバラ
コンサルの対応
- 現場を3日間観察
- 工程の見える化、標準作業書の作成
- 生産計画ミーティングの仕組み化
成果
- 不良率15% → 6%
- 残業80時間削減
- 利益率が年5%向上
見極めポイント
→ 現場を見るかどうか が全て。
◎ 良い実例②:小売業B社(年商2億円)
課題
SNSと広告が完全に担当者任せで、改善が回らない。
コンサルの対応
- 顧客データを集約
- ターゲット層の明確化
- 毎週のPDCAレポート
- 店舗→ECへの導線設計
成果
- EC売上が半年で2.2倍
- 広告CPA半減
- 来店者数1.3倍
見極めポイント
→ 数字で語れるコンサルは強い。
× 悪い実例①:補助金コンサルC社
問題点
- テンプレ書類
- ヒアリング5分
- 着手金型で不採択でも返金なし
典型的結果
→ 採択されず費用だけ失う。
見極めポイント
→ 補助金は成功報酬型が鉄則。
× 悪い実例②:人事コンサルD社
問題点
- 大企業向け制度をそのまま導入
- 社員説明なし
- 形だけ立派な評価制度
典型的結果
→ 不満・軋轢・離職が増加。
見極めポイント
→ 制度は会社規模に合わせて設計できるかが重要。
× 悪い実例③:高額“話すだけ”コンサルE社
問題点
- 年500万円
- 月1回の雑談ミーティングのみ
- 具体策なし
- レポートなし
- KPIなし
結果
→ 何も変わらない。
見極めポイント
→ 実行支援がないコンサルは100%地雷。
■ 6. 最近「詐欺コンサル・脱税コンサル」が増えている理由
近年“怪しいコンサル”の増加が目立っています。
理由は以下が考えられます。
(1) コンサルは資格不要で参入が簡単
SNSマーケで未経験者でも集客できる時代。
(2) 補助金・節税など“グレー案件”が増加
利益率が高い分、一発稼ぎで消えていく業者も多い。
(3) 廃業時の税務調査でバレるケースが増加
架空経費・帳簿不備が調査で露呈しがち。
→ だからこそ「見極め」が以前より重要になっている。
■ 7. 良いコンサルを選ぶための5つの質問
面談のその場で聞くだけでほぼ見抜けます。
- 同規模の成功事例を3つ挙げてください。
- 成果が出なかった場合の対応は?
- 社内に残る仕組みは何ですか?
- 毎月のアウトプットを具体的に教えてください。
- 現場を見ずに改善案は出せますか?
→「出せる」と答えるコンサルは危険。
■ まとめ
コンサルは
- 課題が明確
- 目的が具体的
- 見極めが正しい
この3つが揃えば中小企業にとって非常に強力な味方になります。
逆に、
- 抽象論だけ
- 現場を見ない
- 数字で語れない
- 成果に責任を持たない
こういった業者を選んでしまうと、お金も時間も失われます。
この記事のポイントを押さえて選べば、
“良いコンサル”に出会う確率は一気に高まります。
