【経営者必見】社員が交通事故を起こしたときの正しい対応手順

■ はじめに

宮崎・鹿児島のような車社会では、通勤や営業活動で車を使うことが当たり前です。
しかし、社員が通勤中や業務中に交通事故を起こした際に対応を誤った場合、
会社にまで責任が及ぶことがあります。

この記事では、「通勤中」と「業務中(社用車)」の事故で保険の扱いや会社の対応がどう異なるのか
経営者・個人事業主向けにわかりやすく解説します。


■ ① 通勤中の事故(社員のマイカー使用)の対応

● 基本的には「個人(社員)」の責任

通勤中は原則として業務外であり、事故の責任は本人の保険で対応するのが基本です。
自賠責保険は全員が加入義務を負いますが、補償範囲が限られるため、
任意保険の加入が不可欠です。

● 経営者が確認すべきポイント

  • 車通勤を許可している場合は、任意保険加入証明書の提出を求める
  • 任意保険の**「対人・対物無制限」**を推奨する
  • 通勤経路に業務上の寄り道(取引先への立ち寄りなど)がある場合、
    業務中とみなされる可能性あり

● 労災の対象になる場合も

社員が通勤途中にけがをした場合は、「通勤災害」として労災保険の対象になります。
ただし、物損や対人賠償は労災では補償されませんので、
本人の任意保険でカバーすることになります。


■ ② 業務中・社用車運転中の事故の対応

● 保険の主体は「会社」

社用車を運転中の事故は、会社名義の自動車保険で対応します。
補償内容(対人・対物・車両・人身傷害など)を必ず確認しておきましょう。

● 「使用者責任」が発生する

社員が業務中に起こした事故では、会社が民法715条の「使用者責任」を負う場合があります。
つまり、被害者からの損害賠償請求が「会社宛て」に届くこともあります。

● 社員個人の責任が問われるケース

以下のような**重大な過失(重過失)**がある場合、
会社は社員に損害の一部を請求できる場合があります。

  • 飲酒運転、無免許運転
  • スマホ操作などによる前方不注意
  • 居眠り運転や著しいスピード超過

通常の軽過失であれば、会社が全額を負担するケースが一般的です。


■ ③ 事故発生時の会社の対応手順(初動が最重要)

  1. 社員の安全確保・救護
     → けが人がいれば最優先で救急要請(119番)し、続いて警察(110番)へ。
  2. 現場状況の報告を受ける
     → 事故の場所・時間・相手情報・車両の損傷・写真を確認。
  3. 保険会社への連絡
     → 社用車なら会社の保険、マイカーなら本人の保険へ連絡。
      ※報告遅れは保険金が減額される場合もあるため即対応が原則。
  4. 会社への正式報告(事故報告書の提出)
     → 事故発生日時、場所、経緯、警察届出番号を記録。
  5. 相手方への対応
     → 謝罪や示談は保険会社・弁護士の指示に従う。
      不用意な口約束は絶対に避ける。
  6. 再発防止・社内共有
     → 原因分析、安全運転指導、社用車利用ルールの見直しを実施。

■ ④ 会社として整備しておくべき体制

  • 社用車利用規定の策定(利用目的・報告義務・過失時の対応)
  • 通勤車両の任意保険確認制度
  • ドライブレコーダー導入による事故証拠確保
  • 事故発生時の社内報告マニュアルの整備
  • 安全運転講習や定期チェックの実施

こうした体制を整えておくことで、万一の事故時もスムーズに対応でき、会社の信用低下を防げます。


■ ⑤ 宮崎・鹿児島の事故傾向と相談先

● 交通事故発生率

  • 宮崎県・鹿児島県ともに全国的に車利用率が高く、事故件数も地方平均を上回る傾向
  • 特に通勤時間帯(朝7〜9時・夕方17〜19時)の事故が多い。

● 相談・連絡先一覧

  • 宮崎県警察本部交通相談課:0985-31-0110
  • 鹿児島県警察本部交通相談課:099-206-0110
  • 日本損害保険協会 事故相談室:0570-022-808
  • 地元弁護士会(宮崎・鹿児島):交通事故相談を無料で実施している場合あり

■ ⑥ まとめ:会社の対応が信頼を左右する

通勤中の事故は「個人の保険」
業務中・社用車の事故は「会社の保険+使用者責任」

経営者がやるべきは、
1️⃣ 任意保険加入の確認と管理
2️⃣ 事故時の報告フロー整備
3️⃣ 社員教育による事故防止

事故対応は「スピードと体制」が命。
準備しておくことで、トラブル・損害・信用低下を最小限に抑えられます。

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