自宅に住み続けながらお金を得る?リバースモーゲージとリースバックの注意点

はじめに

最近、「自宅に住みながら資金を得られる制度」として銀行や不動産会社から
提案されることが増えているのが リバースモーゲージリースバック です。

一見すると「老後資金の解決策」に見えますが、実際には大きなリスクを伴うことから、
安易に飛びつくのは危険です。
今回は、両制度の仕組みとメリット・デメリットを整理し、なぜ注意が必要なのかを解説します。


リバースモーゲージとリースバックの仕組み

リバースモーゲージ

  • 自宅を担保にして金融機関から融資を受ける
  • 契約者が亡くなるまで、または契約満了まで自宅に住める
  • 融資は一括受取または年金形式で分割受取が可能

リースバック

  • 自宅を不動産会社に売却し、同時に賃貸契約を結ぶ
  • 売却代金を一括で受け取り、その後は家賃を支払って住み続ける

共通点:いずれも「自宅に住み続けながらまとまった資金を得られる」という仕組み。


一見魅力的に見えるメリット

金融機関や不動産会社は次のように説明します。

  • 老後の生活資金をすぐに確保できる
  • 住み慣れた家から引っ越す必要がない
  • 使途の自由度が高い
  • 将来的に買い戻しできる場合もある

こうした説明を聞くと「便利な制度だ」と感じる人も少なくありません。


リバースモーゲージのデメリット

  1. 融資打ち切りのリスク
    想定より長生きした場合、融資枠を使い切ってしまい「これ以上貸せません」と言われる可能性がある。
  2. 不動産価格下落の影響
    家の価値が下がると、予定していた融資額が減額されることがある。
  3. 家族の同意が必要
    相続財産が減るため、相続人の同意が求められる。トラブルの原因にもなりやすい。
  4. 金利変動のリスク
    多くは変動金利のため、将来的な金利上昇で返済額が増える恐れがある。

リースバックのデメリット

  1. 所有権を失う
    家を子どもに相続できなくなり、資産形成の観点で損になる可能性がある。
  2. 家賃負担が続く
    将来的に家賃が上がるリスクがあり、支払いが滞れば退去を迫られることもある。
  3. 安値で売却されやすい
    市場価格より低く買い取られるケースが多い。
  4. 住み続けられない可能性
    賃貸契約が更新されなければ、退去せざるを得ない。

結論:安易に利用すべきではない

リバースモーゲージやリースバックは「自宅を手放さずに資金を得られる」ように見えますが、
長期的に見るとデメリットが多く、特に高齢者にとってリスクが大きい制度です。

資金が必要な場合は、まずは以下の選択肢を検討する方が健全です。

  • 不動産を通常の形で売却する
  • 親族間で資金援助を検討する
  • 公的支援制度や年金の活用を確認する

大切なマイホームを巡る決断ですから、「目先の資金」だけで判断せず、長期的な影響を考えたうえで
行動することが求められます。

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